マクドナルドの店舗数推移と経常利益推移(原田体制は本当に悪かったのか?)

マクドナルド店舗

マクドナルドが2015年に380億もの大赤字になると予想しています。

これはかなり悪い数字。

では、これまではどうだったのか?

公式サイトなどから調べた、マクドナルドの店舗数推移と経常利益推移をまとめてみます。

 

また、原田体制が悪かったという論調が多いのですが、本当に悪かったのか?まとめた数字などから私なりの意見も書いてみます。

 

マクドナルド店舗
(最近のマクドナルドがかなり心配です)

 

マクドナルドの店舗数推移と経常利益推移

年度別に店舗数と経常利益を列挙してみました。上場してからはデータが確認できるようになっています。

 

2002年
3891店、21億円

2003年・・・藤田氏退任
3773店、19億円

2004年・・・原田社長就任
3774店、73億円

2005年
3802店、29億円

2006年
3828店、57億円

2007年
3746店、156億円

2008年
3754店、182億円

2009年
3715店、232億円

2010年
3302店、271億円

2011年
3298店、276億円

2012年
3280店、238億円

2013年・・・原田社長8月27日辞任、カサノバ氏就任
3164店、102億円

2014年
3093店、-80億円

2015年
約2900店(推定)、約-380億円(推定)

 

原田体制は悪かったのか?

今回の赤字の根本原因として原田体制が悪かったという論調も多くあります。本当にそうなのでしょうか?

 

原田氏がFC店舗の割合を高めたことが失敗では?

FC店舗の割合を高くしたことから、店舗の質が下がった。それが結果的に現在の品質低下に繋がったという意見が多いです。

個人的には品質低下の部分は良く分かりません。長いこと地域数店舗のマクドナルドに通っていますが品質が変わったというイメージがあまりないからです(私が鈍感なだけかもしれません)。

また、FCの割合を高くすることが駄目なのであれば世の中にたくさんあるFCの存在そのものを否定することでもあると思いますが、現在たくさんのFCがありそれを否定するというものおかしいでしょう。

もちろん、FCの割合を増やすということについては良い部分も悪い部分もあるでしょう。結果的に今のマクドナルドの惨状の要因の1つになっているのかもしれませんが、それが悪かったというのは結果論にすぎないようにも感じます。

質の部分と利益は一定のところで折り合いをつける必要があるのでしょうが、原田氏のとった戦略は間違っているとは言い切れないと思います。

 

原田体制の低価格路線が間違いでは?

原田体制では積極的に低価格路線を拡大としており、それが間違いだったのでは?という声があるのですが、現実にはその前の藤田体制ではハンバーガー65円とかやっていました。それに比べると低価格でもありません。

そして、先の数字を見る限りでは原田体制は大成功だったのではないのか?と個人的には思います。今回の大赤字でも、なんとか維持できているのはここ数年の利益があるからこそです。また、効率化を図ってきたからこそです。

数字を見る限り、原田体制で500店舗ぐらいは減っているようです。減っていなかったらもっと大変なことになっていたことでしょう。

売り上げ前年比30%減、380億円の赤字というのは本当ならば倒産してもおかしくないような数字です。

 

マクドナルド不振の要因は顧客に飽きられたから

マクドナルドが顧客に飽きられているという声も多いです。

原田体制の最後の辺りからですが、マクドナルドが飽きられてきたというのは私も感じていたところです。マクドナルドに行くのがあまり楽しくない。惰性で行くような感じ。

 

過去には、話題作りがいろいろあったのでマクドナルドは楽しかった。

「メニューがなくなる」、「60秒チャレンジ」など失敗は多かったとは思いますが、いろいろとチャレンジする精神は好きだし、そういった楽しみがあるからマクドナルドに足を運んだ人も多かったと思います。私もそのうちの1人でした。

 

原田体制の後期、そして、カサノバ体制になってからは特にチャレンジ精神が失われたように感じます。

カサノバ氏が就任してから、マクドナルドが話題に大きく話題になることが少なくなったのではないでしょうか。知人との会話でマクドナルドが出ることが極端に減ったように感じます。

(食肉問題とか品質問題などは除く)

 

おそらく、カサノバ氏は本社の要請に従ったのはないでしょうか?実は原田氏は本社から、かなりのつきあげがあったようです。

 

原田氏は2013年のインタビューには以下のように答えています。

「日本のマクドナルドは世界の中で利益率が低く、米国本社から利益を底上げするようプレッシャーをかけられていた。このためリピーターを増やせるビッグマックの販売を強化して、運営コストのかかる季節限定商品をやめた」

(参考:消費者はマックに飽きた?原田社長の苦しい反論

 

表題には苦しい反論とありますが、本社から突き上げがあったのは事実でしょう。

季節商品をやめたとは言っても、原田体制では数多くの季節限定商品を出していたと思いますし、お客さんに飽きられないように様々なチャレンジをしていたと思います。かなり本社に逆らった経営をやっていた。もっと本社に逆らっても良かったのではないかと思いますが、減益となった2013年に結局は退陣。

それまでは大幅に利益拡大していたので本社も手が出せなかったのでしょうが、本社の意向に背くことも多かった原田氏を切りたかったのかもしれません。利益が下がったということで退陣させる良い理由になったのでしょう。

 

そして、その後を継いだカサノバ氏は、本社の言い分をかなり聞いたのではないかと思います。急激に利益率重視の戦略に転換したように感じます。クーポン価格などを上げて実質値上げ。ハッピーセットなどもクーポン価格がかなり上がったと思います。その他無料クーポンなどがかなり無くなった。

また、モーニングメニューのブレックファストなど利益率がいかにも高そうなメニューを充実させました(売れているかどうかは知りません)。季節限定商品も新しいものが少なく、焼き回しが多くなった印象。

 

私はマクドナルドに通い続けていますが以前のような面白さがマクドナルドにないというのは正直なところです。

 

もちろん、利益率を改善するという意味合いではカサノバ氏のやったことは悪いことではないとは思いますが、マクドナルドに飽きつつある人が多かった状況で更に追い討ちをかけたようにも感じます。

比較してよいのかどうか分かりませんが原田体制に比べるとカサノバ体制は落ちると私は感じています。

 

そもそも原田氏のアメリカ式経営を批判する人が多いのですが、カサノバ氏の経営はもっとアメリカ式では?それを批判する声があまり聞かれないのはちょっと不思議な感じがします(ほとんど原田氏の批判に終始している論調が多い)。

 

先にも書いていますが、原田体制での経常利益はかなり凄い。原田氏の経営が完璧だとは思いませんが批判されることが多いのは個人的には不思議です。

 

マクドナルドの店舗数推移と経常利益推移まとめ

最近、マクドナルドの業績が悪くなり、原田体制を批判する声が多かったので私なりの意見を書いてみました。

FC比率を上げたことを問題視する人も多いですが、それで利益率が上がったことは事実です。良い部分もあれば悪い部分もあるのは事実ですから、批判するだけというは違うと思います。

また、FC化などのアメリカ式経営を批判する声も多いのですが、現実には原田氏はアメリカからの要請をかなり断っていたようにも感じます。FC化なども本社の要請があって行動した部分もあるでしょうし。、原田氏でなくてもやらざる得ない部分が多かったのではないでしょうか?

とにかく、原田体制が多大なる利益をもたらしたのは間違いないと思います。「退職金をマクドナルドに返せ」といった論調も多いのですが、ここ原田体制の約10年の利益を考えると退職金はそれほど多いようにも感じません。

 

ということでいろいろと思いつくままに書きましたが、、、あくまでも、いち顧客の個人的な意見として聞いていただければと思います。

 

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